少子化の現状と今後の影響

少子化の要因と背景

(1)少子化の要因

少子化の要因としては、「未婚化及び非婚化の進行」、「晩婚化及び晩産化の進行」、さらに「夫婦出生数の減」が大きな要因と分析しています。

未婚化・非婚化の進行

本県の未婚率は、例えば25〜29歳で見ると、昭和50(1975)年では、男性が46.4%、女性が16.9%でしたが、平成22(2010)年には、男性が70.4%、女性が56.6%と大幅に上昇しています。

また、本県の生涯未婚率は、昭和50(1975)年では、男性が1.88%、女性が2.47%でしたが、平成22(2010)年には、男性が20.55%、女性が7.28%と大幅に上昇しています。

【用語解説】

「未婚化」・「非婚化」とは、結婚していない人の割合が高くなる傾向をいい、「晩婚化」とは、初婚の平均年齢が高くなる傾向をいいます。「生涯未婚率」とは、「50歳時」の未婚率(結婚したことがない人の割合)を算出したものです。

晩婚化・晩産化の進行

平均初婚年齢については、昭和50(1975)年と平成25(2013)年を比較すると、男性が26.9歳から30.7歳へ、女性が24.4歳から28.9歳へと大きく上昇しています。

また、初婚年齢が遅くなるという晩婚化が進行すると、それに伴い、出産年齢も高くなるという晩産化の傾向があらわれており、平成25(2013)年には29.9歳となっています。

平成26(2014)年の県政世論調査において、第1子を望む年齢を聞いたところ,「20代後半」(59.2%)が約6割と最も高くなっており、実際の出産年齢との差が見られます。

夫婦出生数の低下

夫婦の最終的な平均出生子ども数(完結出生児数)は、戦後大きく低下し、昭和47(1972)年に2.20人となった後は、約30年間にわたって一定水準で安定していましたが、近年1.96人へと低下しています。

(2)少子化の背景

少子化の背景としては、様々な要因があると考えられますが、「雇用の劣化による自立した結婚生活を営むことへのためらい」,「個人の結婚観や価値観の変化」、「子育てに対する経済的負担」、「仕事と結婚・出産・子育ての両立の難しさ」等があると考えられます。

「雇用の劣化による自立した結婚生活を営むことへのためらい」

若年者の雇用をめぐる環境をみると、完全失業率及び非正規雇用割合は、全年齢計を上回る水準で推移しています。

また、非典型雇用者(注)の有配偶率は、正社員の半分以下となっています。
年収別に男性の有配偶率をみると、年収が高い人ほど結婚していますが、雇用者の平均給与は、近年漸減しています。

独身にとどまっている理由

平成22(2010)年の第14回出生動向基本調査において、未婚者に独身にとどまっている理由をたずねたところ、25歳未満の年齢層では、「まだ若すぎる」「必要性を感じない」などの結婚をする積極的な理由の欠如が多く選ばれており、25歳を過ぎると「適当な相手にめぐり会わない」に、「結婚資金が足りない」という回答が続きます。また、「自由や気楽さを失いたくない」を選ぶ割合は、若い年齢層より高い状況にあります。

平成26(2014)年の県政世論調査において、未婚者に独身である理由をたずねたところ、「出会いの場がないから」が他を大きく引き離して22.8%となっています。

年代の経過と共に婚姻数全体に占める見合い結婚率が減り、恋愛結婚率が増えています。平成17〜21(2005〜09)年には、初婚同士の結婚のうち、恋愛結婚が88%に対し、見合い結婚は5.3%となっています。

結婚相手に求める条件

また、結婚相手に求める条件が増加する傾向がありますが、特に、男女ともに「家事の能力」「経済力」「職業」の重視傾向が強まっています。

「個人の結婚観や価値観の変化」

若い世代で,未婚・晩婚が増えている理由としては,1位「独身の自由さや気楽さを失いたくないから」51.9%、2位「経済的に余裕がないから」47.4%、3位「結婚の必要性を感じていないから」41.9%の順であり、それ以外の項目は3割台以下となっています。

男性では、「経済的に余裕がないから」52.0%が最も多いのに対し、女性では「独身の自由さや気楽さを失いたくないから」55.3%が一位となっており、男女の意識の違いがみられます。

「理想の子ども数と子育てに対する経済的負担」

平成22(2010)年の第14回出生動向基本調査において、50歳未満の妻を対象に理想の子どもの数についてたずねたところ、平均理想子ども数は2.42人との回答となり、近年減少傾向にあります。

一方、平均予定子ども数は2.07人と理想子ども数に比べ0.35人低くなっています。この理由としては、「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」との回答が最も多くなっています。

平成26(2014)年の県政世論調査において、理想の子どもの数を持てない理由をたずねたところ、「子育てのための経済的負担が大きいから」が54.4%となっています

子どもの学習費(全国)

(単位 円/年額)
  幼稚園 小学校 中学校 高等学校(全日制)
公立 私立 公立 私立 公立 私立 公立 私立
学校教育費 131,624 340,464 55,197 822,467 131,534 997,526 230,837 722,212
学校給食費 17,920 26,891 42,035 40,229 36,114 3,380 / /
学校外活動費 80,556 120,072 208,575 559,661 282,692 294,250 155,602 244,604
230,100 487,427 305,807 1,422,357 450,340 1,295,158 386,439 966,816

「不妊治療の状況」

特定不妊治療の助成件数は、この9年間で、約7倍に達し、助成対象者の7割を35〜44歳が占めています。

「仕事と結婚・出産・子育ての両立の難しさ」

女性の就業と出産の関係をみると、育児休業制度を利用して就業を継続した妻の割合は増加しているものの、第1子出産後も就業を継続する妻の割合は、昭和55(1980)年代後半以降25%前後であり、ほとんど変化がありません。

「女性有業率の変化」

女性の年齢階級別労働力率について昭和50(1975)年からの変化を見ると、現在も「M字カーブ」を描いているものの、そのカーブは以前に比べて浅くなっており、M字の底となる年齢階級も上昇しています。

女性の就業形態を見ると、男性に比べて若年層でも非正規雇用が多いことに加え、多くの女性が結婚・出産期に差しかかる25歳以降で正規雇用が減少して非正規雇用が増加する傾向が見られます。

「本県における幼児期の教育・保育施設の現状」

幼児期の子どもの育ちの場である幼稚園と保育所に通う乳幼児の数については、対象年齢の相違はあるものの、幼稚園児童数は減少、保育所児童数が増加しており、全体として保育のニーズが増加していることが分かります。

「本県における認定こども園の状況」

認定こども園制度については、幼児教育と保育及び子育て支援を総合的に提供できる施設として平成18(2006)年度から開始しました。この制度については、平成27年4月から開始する子ども・子育て支援新制度においても、施策の柱の一つとして位置づけられており、本県においても、平成25(2013)年度を境に大幅に増加していることが分かります。

「本県の私立幼稚園における預かり保育の実施状況」

保育が必要な子どもであっても幼稚園の教育を受けさせたいという保護者のニーズの高まりに応じて、本県の私立幼稚園は、全園で教育時間以外の預かり保育を実施しており、4時間以上の長時間(特定預かり保育)や夏休み等の長期休業日や土日等休業日についても取り組みが進んでいます。

  H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25
学校法人立等私立幼稚園数 192 195 198 199 197 193 193
通常預かり保育 192 195 198 199 197 193 193
特定預かり保育 82 86 79 77 82 83 91
長期休業日預かり保育 162 170 180 182 185 179 183
休業日預かり保育 74 72 72 67 73 68 77
特定・長期・休業日預かり保育実施状況 (いずれか実施している園数) 162 170 180 182 185 179 183
特定・長期・休業日預かり保育実施率 84.4% 87.2% 90.9% 91.5% 93.9% 92.7% 94.8%
「本県における保育所定員及び待機児童数の推移」

本県においては、保育所の計画的な整備を進め、入所定員を増加してきましたが、保育のニーズも年々増加していることから、待機児童の解消が課題となっています。

    H21 H22 H23 H24 H25 H26
保育所数(ヶ所) 4月 475 476 484 489 497 523
10月 475 476 484 491 501 525
入所定員(人) 4月 42,648 42,911 44,467 45,008 46,340 48,425
10月 42,743 43,033 44,577 45,295 46,585 48,539
待機児童数(人) 4月 396 216 167 320 215 227
10月 783 699 659 653 595 718

※各年度4月1日、10月1日現在

「女性就労をめぐる問題」

職場におけるセクシュアルハラスメントや妊娠・出産等を理由とする解雇その他不利益取扱いに関する相談が多くなっています。

「子育て期の男性の長時間労働」

子育て期にある30〜40代男性の労働時間は5人に1人が週60時間と、他の年代に比べ高い水準にあります。

「仕事と生活の調和が実現された社会」に近づくための企業の取り組み

企業による取組として、「無駄な業務・作業をなくす」、「管理職の意識改革を行う」、「育児・介護休業をとりやすくする」、「社長や取締役がリーダーシップを発揮してワーク・ライフ・バランスに取り組む」、が重要であると回答した人(「非常に重要」「重要」と回答した人の合計)の割合は4分の3を超えています。

「男性の家事・育児分担」

夫の休日の家事・育児時間と第2子以降の出生の状況では、夫の家事・育児時間が長くなるほど、第2子以降の生まれる割合が高くなる傾向があります。

「地域コミュニティの希薄化」

近所の人々と助け合いながら子育てをしていると思っている人は10人に4人に過ぎず、子育て世代が地域で孤立しがちとなっています。

「各国の家族関係社会支出の対GDP及び合計特殊出生率との比較」

日本は、欧州諸国に比べて現金給付、現物給付等の家族政策全体の財政的な規模が小さいことが指摘されています。対GDP比では、日本の家族関係社会支出は1.35%(平成23(2011)年度)となっており、フランスやスウェーデンなどの4割程度にとどまっています。