少子化対策基本方針

幼児教育・保育サービスの充実

【現状と課題】

現在、子ども・子育てをめぐる環境は厳しく、核家族化の進展や地域のつながりの希薄化に伴い、子育てに不安や孤立感を覚える家庭も少なくありません。また、保護者の仕事の多様化等により保育の必要性は増大しており、都市部を中心に、引き続き保育所の待機児童が発生しているところです。

一方で、幼稚園の園児数については、年々減少する傾向にあるものの、県内の3歳以上の子どものうち5割以上が幼稚園に在籍しており、幼稚園児の7割以上が通う私立幼稚園において保育が必要な子どもが3割を超えているなど、幼児教育に対する保護者のニーズも依然として存在しています。

もとより、幼児教育や保育は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものであることから、保育の必要性の有無にかかわらず、質の高い幼児教育や保育のサービスが総合的に提供されることが求められており、これらに対応する「認定こども園」について、制度創設の平成18年度以来、本県においては認定を受ける施設数が順調にのびており、平成26年4月には99園を数え、全国で第3位の認定数となっています。

県内では、乳幼児数の減少している地域と増加している地域の両方が存在し、求められる幼児教育・保育のニーズも、地域によって多様化しています。このため、どのような地域にあっても、子どもが安心して育まれ、子ども同士が集団の中で育ち合うことができるよう、行政や地域社会全体で子どもの育ちと子育てを支援するための新しい支え合いの仕組みを構築するとともに、地域のニーズに応じて、質の高い幼児教育・保育の提供体制、人材の確保及び教育・保育の質の向上等に取り組む必要があります。

【施策展開の方向】

待機児童の解消等

幼児教育・保育サービスに対する地域のニーズに応じて、特定教育・保育施設等(認定こども園、幼稚園、保育所)や地域型保育事業(小規模保育、事業所内保育、家庭的保育、居宅訪問型保育)の整備等により定員を増加するとともに、幼児教育や保育に従事する人材の確保や資質の向上等を図り、待機児童の解消を図ります。

保育サービスの充実

子どもの育ちに十分配慮しながら、保護者の就労形態の多様化や地域のニーズに応じて、延長保育、一時預かり、病児保育、子育て短期支援などの様々な保育サービスの充実を図ります。

幼児教育・保育の質の向上

子どもの生涯にわたる人格形成の基礎を培い、心身ともに健やかな育成を支えるためには、幼児教育及び保育の質の向上が重要です。

このため、保育教諭(幼稚園教諭免許と保育士資格の併有者)等の増加や資質・専門性の向上、子どもの健康及び安全の確保などの取組を積極的に支援していきます。

さらに、新たに子育て支援事業に従事する者等の養成・確保を図るとともに、保育教諭等の定着や再就業支援など総合的な人材確保対策に取り組みます。

小学校就学前の子どもの成育環境の整備

小学校就学前の子どものより質の高い成育環境の整備を進めるため、保育の必要性の有無にかかわらず、幼児教育や保育及び子育て支援を総合的に提供する必要があります。

このため、保護者の就労状況及びその変化等によらず柔軟に子どもを受け入れることができる施設であり、幼稚園及び保育所の機能を併せ持ち、子育て支援の中核を担う認定こども園の設置について促進します。

【重点施策】

特定教育・保育施設等の整備(待機児童の解消等)(子ども家庭課)

認定こども園、幼稚園、保育所及び地域型保育事業の創設・増改築等の整備を進めることにより、待機児童の解消を図るとともに、地域のニーズに応じた幼児教育・保育が提供できる体制を整えます。

一時預かり事業(幼稚園における預かり保育含む)の促進(子ども家庭課・総務課)

日常生活上の突発的な事情等により、一時的に家庭での保育が困難となる場合や核家族化による育児疲れ等の保護者の心理的・身体的負担を軽減するため、乳幼児を一時的に預かる保育の更なる充実を図ります。

認定こども園の設置促進(子ども家庭課)

小学校就学前の子どもに対する教育、保育、保護者に対する子育て支援の総合的な提供を推進します。

病児保育の促進(子ども家庭課)

病気中や病気回復期にあるため保育所での集団保育が困難な乳幼児を、病院・保育所に設置した専用スペースにおいて保育する事業の実施を促進します。

休日・夜間保育の促進(子ども家庭課)

勤務形態の多様化により、日曜・祝日に保育が必要な児童を保育する休日保育や、夜間に安心して子どもを預けられる夜間保育の実施を促進します。

延長保育の促進(子ども家庭課)

勤務形態の多様化や通勤時間の増大等に伴う延長保育の需要に対応するため、保育認定を受けた子どもについて、利用時間を超えて保育を実施する施設に対して運営支援を行います。

子育て短期支援事業の促進(子ども家庭課)

保護者の疾病等の理由により家庭において児童を養育することが一時的に困難となった場合や、経済的な理由で緊急一時的に母子を保護することが必要な場合等に、児童福祉施設等において養育・保護を行います。

多様な主体が新制度に参入することを促進するための事業(子ども家庭課)

保育の受け皿の確保や、住民ニーズに沿った多様な保育の提供を進める際に、多様な事業者の能力を活用するため、新規参入事業者への支援を行い、地域ニーズに即した保育等の事業の拡大を図ります。

幼児教育・保育人材の養成・確保(子ども家庭課・総務課・義務教育課)

本県における幼児教育・保育サービスの充実・確保に向け、関係者による協議の場である「幼児教育・保育人材確保円滑化協議会」を設け、必要な人材の確保対策及び定着促進と連携方策などについて協議を行い、関係団体とともに具体的な取り組みを進めます。

また、茨城県福祉人材センター内に、「茨城県子育て人材支援センター」を設置し、保育教諭、幼稚園教諭、保育士及び子育て支援員の職業紹介及び、合同就職相談会を実施します。

さらに、県内において保育や地域子ども・子育て支援事業に従事する人材を養成するため、国が示すガイドライン等に基づき、「子育て支援員」を認定するための研修も行い、計画的な確保に努めます。

幼児教育・保育人材の質の向上(子ども家庭課・総務課・義務教育課)

保育教諭、幼稚園教諭、保育士等に対し、初任者や経験年数等に応じた研修を体系的に実施します。

さらに、幼児期から小学校への接続を意識した教育課程を実践するため必要な研修や、複雑化する保育ニーズ等への対応や、高度なスキルを習得するための研修を実施し、幼児教育・保育等を担う人材の資質や専門性の向上を図ります。