少子化対策基本方針

妊娠・出産期からの心と体の健康の確保・増進

【現状と課題】

核家族化の進行や地域の人間関係が希薄化する中で、子育て中の母親の多くは妊娠期から育児に至るまで何らかの不安を抱えています。子どもの心の発達は、一番身近な養育者の心の状態と密接な関係があり、また、母親の心の状態は夫の態度や生活環境が大きな影響を与えます。このため、良好な親子の愛着形成を促進し、子どもの安らかな心の発達の促進にも寄与し得る大切な時期であることを、親も含めた関係者全員が認識することが必要です。

また、食生活も含めたライフスタイルの変化は、子どもの朝食欠食や肥満などを招くことも懸念されています。さらに、家族の生活時間の不規則化などから、家族そろっての食事機会の減少、親世代の食に関する知識不足の傾向が見受けられるようになるなど、子どもの心と体の健康への影響が心配されています。

さらに、近年、晩婚化・晩産化に伴う夫婦の出生力の低下が懸念されており、医学的には男性・女性ともに妊娠・出産には適した年齢があることが指摘されています。

【施策展開の方向】

妊娠期からの支援

安心して子どもを生むことができるように、妊婦に対して理解のある家庭環境や職場環境の実現が重要です。

妊娠届出時のアンケートや保健師の面接等により、妊婦の身体的・精神的・社会的状況について把握するとともに、医療機関や助産所・市町村などの関係機関が常に連携をとり、妊娠中から出産後のケアの継続ができるよう支援します。

また、妊婦が必要な健康診査を受診できるよう、経済的負担の軽減を図るとともに、妊娠期の健康診査によって何らかの異常が見つかった場合、産科医療機関と総合周産期母子医療センター等が連携して安全な出産ができるよう支援します。

周産期・小児医療体制の充実

地域において妊娠、出産から新生児に至る高度専門的な医療を効果的に提供する総合的な周産期医療体制を整備することにより、安心して子どもを生み育てることのできる環境づくりの推進を図ります。

また、小児科の医療資源の集約化・重点化を推進し、全県を24時間365日体制でカバーする安心で効率的な小児救急医療体制の整備を進めるとともに、電話相談や啓発パンフレットの活用等により保護者の不安解消を図ります。

保健指導の充実

保護者は子どもの発育や子育てなどに関する多くの不安を持っており、特に出産直後から数ヶ月までの母親は、ホルモンバランスの変動等から産後うつを発症しやすい状況にあります。このため、家庭訪問や乳幼児健康診査等の様々な機会を活用し、母親の精神状態を把握するとともに、乳房ケアや授乳方法等の母乳育児、基本的な育児方法、安全な育児環境、疾病予防等の保健指導を行い、必要に応じて継続した支援を行います。また、子育てや健康の保持増進のための知識の提供、実際的な方法を指導し、母親や家族の子育て力を高めていくとともに、子どもの健康を支える環境づくりを構築します。

妊娠中の喫煙は胎児の成長を妨げ、先天性の疾患のリスクや低出生体重児出生のリスクを高めることから、喫煙者に対しては禁煙指導を行うとともに、受動喫煙防止も含めた喫煙による悪影響について学習する機会を提供します。

また、歯科保健、小児生活習慣病、思春期やせなどの健康問題への取組も必要であることから、あらゆる機会をとらえた普及啓発など保健指導を充実させます。

情報提供・相談体制の強化

インターネットが普及し、様々な情報を検索できるようになったものの、正しい情報の選択に困難感を抱いている母親も多いことから、正しい情報が常に入手できる体制を整備することが必要です。また、父親に対しても、基本的な育児方法や親子の関係づくりなどを学習する機会を積極的につくることが必要です。

このため、ホームページや広報等を活用し、正しい情報の普及啓発を図り、父親向けの情報やメッセージ等も積極的に発信します。また、乳幼児健康診査や健康相談、健康教育等を活用し、子育てや子どもの健康について保護者の不安を軽減できるよう、子育てに関する情報提供や「子育て世代包括支援センター」の整備など、相談体制の充実を図るとともに、若年、未婚、精神的に不安定な状態にある等の要支援妊産婦に対しては、個別訪問指導を含めて関係機関と連携した体制で支援を行います。

さらに、相談窓口や小児救急窓口の拡充、子育て支援サービスの充実などにより、相談体制の充実を図り、併せて広く周知します。

食育の推進

乳幼児期から、望ましい食習慣を定着するとともに、食を通じて健全な心身の育成と豊かな人間性の形成を図ることが必要です。保健や教育など様々な分野が連携して、食に関するネットワークづくりに努めるとともに、子どもの発達段階に応じた食べ方や肥満・やせの予防、適塩の大切さの普及など、食育の推進を図ります。

不妊に悩む人への相談・援助体制の充実

不妊に対する悩みが深刻になっているため、だれもが希望に応じて不妊治療を受けられる環境の整備が必要です。このため、不妊に悩む人が安心して相談でき、不妊治療に関する正しい情報提供や心理的な援助を受けられる体制を充実させます。

晩婚・晩産化による不妊の増加が指摘されており、不妊治療費助成件数はこの9年間で7倍以上に急増しています。一方、妊娠と年齢の関係について「良く知らない」と答えた人が約3割に達するので、早い時期からのライフプラン教育の推進が重要です。

【重点施策】

妊娠中の保健指導の充実(子ども家庭課)
  • 妊婦健康診査の推進

    妊婦の健康管理の充実及び妊娠・出産に係る経済的負担の軽減を図るとともに、安心して妊娠・出産ができる体制づくりを推進します。

  • 妊娠届出時のアンケート実施の推進

    妊娠届出時に、妊婦の身体的・精神的・社会的状況についてアンケートにより把握し、支援体制を推進します。

  • 妊婦の禁煙指導

    妊娠中の喫煙について、禁煙指導を推進します。

  • 産後のメンタルヘルスの推進

    妊娠中の保健指導において、産後のメンタルヘルスについて妊婦とその家族に伝える機会を設けます。

周産期医療体制の充実(医療対策課)

地域において妊娠、出産から新生児に至る高度専門的な医療を効果的に提供する総合的な周産期医療体制を整備することにより、安心して子どもを生み育てることのできる環境づくりの推進を図ります。

小児救急医療体制の充実(医療対策課)

小児科の医療資源の集約化・重点化を推進し、全県を24時間365日体制でカバーする安心で効率的な小児救急医療体制の整備を進めます。さらに、救急患者への対応が適切に行われるよう指導助言を行うとともに、電話相談や啓発パンフレットの活用等により保護者の不安解消を図ります。

子どもの健康管理の推進(子ども家庭課)
  • 出生児の体重の適正化の推進
  • 育児期間中の親の禁煙指導

  • 乳幼児健康診査の受診の推進

乳幼児期からの食育の推進(子ども家庭課、保健予防課、保健体育科)

乳幼児期からの望ましい食習慣の定着、食を通じた健全な心身の育成と豊かな人間性の形成を図るため、茨城県食育推進計画に基づき、関係機関等と連携しながら、あらゆる機会をとらえて、ライフステージに合わせた食育を推進します。

乳幼児期からの口腔ケアの推進(子ども家庭課、保健予防課、保健体育科)

80歳で20本、64歳で24本の歯を残そうという「8020・6424運動」を関係団体・機関との連携のもと展開し、歯科口腔保健の推進を図ります。特に、生涯を通じた歯科保健を推進するためには、子どもの頃からの取組が重要なので、発達段階に応じた取組を推進するとともに、心身に障害のある児童が適切な歯科口腔保健サービスを受けることのできる環境づくりを進めます。

不妊専門相談センターの相談体制の充実(子ども家庭課)

不妊専門相談センターを県内2か所(県央・県南)に設置し、不妊に関する相談を行うとともに、不妊治療に対する正しい情報の提供や心理的な援助を必要とする方々へのカウンセリングを行います。

母子に関わる関係者の専門性向上に向けた取組の推進(子ども家庭課)

母子保健・児童福祉関係職員、教育関係者、医療従事者、ボランティア等に対し、専門的な知識・技術の向上を図るための研修会等を実施し、関係者のスキルアップを図ります。