あわてないで!新型インフルエンザ

2009 年9 月茨城県小児科医会

 新型インフルエンザが流行し始めました。お子さんが急に熱を出すと、インフルエンザではないか、タミフルをすぐに飲まさなければ、と心配になるでしょう。あわてずに、これを読んで、お子さんの様子をよく見てください。
○自然になおる力と合併症
 新型インフルエンザは風邪(ウイルス感染)の一種ですから、持病がない抵抗力のあるお子さんのほとんどはタミフルなどがなくても自分の力でなおります。ただし次の合併症には注意が必要です。
・脳症 ・熱性けいれん ・肺炎 ・喘息の発作を誘発する ・クループ(喉頭炎)・ 脱水
○病院のかかり方と検査
 インフルエンザ迅速検査は発熱後12 時間以上たたないと、正確に出ないことがあります。
 合併症の症状がなければ、夜間や時間外は体を休め、診療時間内にかかりつけ医を受診しましょう。
○インフルエンザ合併症の症状−病院にかかるとき
・意識障害:遠くを見て視線が合わない。呼びかけに答えない。眠ってばかりいる。
・意味不明のことを言う。突然の異常な行動。
(すぐに元に戻れば、「熱せん妄」という、あまり害のない症状のことがあります)
・痙攣:手足を突っ張る、がくがく痙攣する、目が上にあがる。
・息が苦しく呼吸が速い(幼児で1秒に1回以上)・荒い、ゼーゼー、肩呼吸、胸がぺこぺこ。
・顔色が青白い、土気色。唇が真っ白、紫色。
・犬のほえるような咳をし、息が吸いにくい(クループ)。
・熱が上がった後も、ずっと手足が冷たい。
・ほとんど食べない、半日以上水分を飲まない。おしっこが半日以上出ない。
熱があると不機嫌になりますが、それ以外に、こどもの反応がいつもの熱の時と違うと感じた時。
○インフルエンザと診断されたとき
・脱水になりやすいのでこまめに水分を与え、合併症の症状がないかを観察しましょう。
・医師の判断で、タミフル(のみ薬)、リレンザ(吸入薬)を使います。
合併症の疑いがある子、抵抗力がおちている子(薬や病気)、1歳から5歳未満の子、慢性の病気を持っている子(主治医から指示をうけている)には薬が必要です。
・インフルエンザ薬を始めてから、翌々日ころまでに解熱します。
・3 日以上熱が続いて元気がなく、症状が悪くなる時はもう一度かかりましょう。
・熱があっても、元気があり、食べたり、飲んだり、遊べている子どもは、薬がなくてもよくなるでしょう。
○慢性疾患のある子 病気で通院している方は、主治医に、インフルエンザにかかった時、どうすればよいかを聞いておきましょう。
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